実力を発揮すればどうなる?

 実力の定義は「実際に備えている能力。本当の力量」である。ゴルフの場合、クラブに所属すればオフィシャルのハンディキャップが交付される。これは客観的な実力の指標といえる。テニスには、一般のアマチュアに客観的な指標は無い。プロや上級者は、試合の結果によってポイントが入り、ランキングのよって相対的な指標となるが、試合に参加しない場合もあるので、そのままテニスの実力を示すとも言えない。

 柔道では組んだ瞬間に相手の実力が分かると言われる。テニスでも、サーブやストロークのフォームを見れば、ある程度の実力が分かる。しかし、フィギュアスケートやダンスのようにフォームを競うわけではないので、試合では必ずしも綺麗なフォームのプレーヤーが勝つわけではない。

 試合に勝てる、イコール実力なのか、技術の修得が実力なのか、意見が分かれるところだ。圧倒的なパワーで技術の差をねじ伏せてしまうプレースタイルもある。運も実力のうち、といわれるが、運を引き寄せて結果に結び付けられるメンタルも実力の要素だろう。

 さて、前回、強い相手に6-0で圧勝しながら、その他に負けたことを取り上げた。振り返ると、自分のベストパフォーマンスに近いプレーをしたのだろう。しかし、それを自分の実力と思ってしまうと、それが発揮できないと「こんなはずじゃない」と、迷路に迷い込む。そのプレーができたことは事実であり、条件が整えばそれを発揮できることは確かだ。しかし、それを継続して安定的に発揮できなければ、それを実力とするのには無理がある。


【なぜ、圧勝したのか?】

 私の武器は、サーブとスピンの効いたフォアストロークだ。コーチや上級者とプレーした時に指摘されたので、ある程度客観的な評価だ。つまり、これを生かし切れば、自分の長所を生かして実力を発揮できたことになる。

 圧勝した試合では、スピンも混ぜたファーストサーブが7割程度入った。ここぞという場面で打ったフラットも決まったので、相手にとって十分なプレッシャーになったはずだ。

 また、要所でスプンを効かせたアングルショットやバッククロスの深いボール、ストレート、更に、相手の甘いセカンドサーブをアタックしてウィナーも決まっあり、自分の長所が全て発揮できた。恐らく、ほとんどのプレイヤーは、自分の長所を全ての場面で発揮できれば、高確率で試合に勝てるはずだ。

 傍目で見ると、相当の実力者にみえたはずだ。しかし、私自身は、それらのプレーをできると思っているが、いつでもそれができる実力者だと思っていない。それは事実であり、ジレンマである。

 

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