杉村太蔵毎トー勝利に想う

 杉村太蔵が毎日トーナメントで勝利した。フルセット、タイブレークでの勝利だ。これは、昨年度とほぼ同じ展開、今年も同じ負け方をするのかと思ったが、見事に勝ち切った。

 私は体型やサーブが最大の武器など杉村氏との共通点が多い。昨年のプレーを見ると、インターハイ優勝経験者とはいえ、私とそれほど実力は変わらないのでは?と思うほど、衰えが激しかった。しかし、昨年の敗戦を受け、1年間の努力による進歩は素晴らしく、多くの中年プレーヤーを勇気づけたと思う。

 私も還暦を過ぎて、衰えを実感するようになった。ふと鏡を見た時の自分の顔、体毛に白いものが増えた(というより白いものしか生えてこない!)こと等、何となくではなく、具体に目に見える変化がはっきりと現れている。こうなると、自分の身体をいじめて鍛えるやり方はもうできない。若い頃の徹夜仕事のようにやるべきことを溜めて一気にこなすやり方では成果が上がらないことを自覚せざるを得ない。

 上手いと強いは違う。試合に勝てるのが強いプレイヤーだ。杉村氏も自分から攻めて得点する以外に、相手にミスさせることの重要性に気づいたと述べている。実際に我々のレベルでは、目の覚めるようなナイスショットによるポイントよりミスによるポイントの方が多い。当たり損ねの中途半端なショットを攻めようとしてミスなど、不確定要素が多い。したがって、プロのように完璧に展開を作って決め切ることだけをやり切ろうとするのは、格好は良いが、勝率は上がらない。

 とはいえ、自分の必殺技がなければ、一定レベル以上の相手に勝つことは難しい。今年の杉村氏の試合でも、ここぞという時に勇気を持って攻め、それが決まって勝利した。練習はその一打を試合の肝心な場面で打つためにある、

 それが再確認できた今年の杉村氏の試合だった。

 

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