全道レベルの相手と対戦して思うこと
草トーの決勝で全道レベルの相手と対戦した。それまで全勝で迎えたが、結果は惨敗した。以前、45歳以上の全道ランキングトップの選手と対戦したことがある。両者に共通の要素があることを実感した。それは、今の力では、ポイントを取る可能性のある技があまりに少ないことだ。
【威力のあるボールを打つだけではポイントできない】
上のレベルのプレーヤーは、普段から同等以上の相手とプレーしている。それは、威力のあるボールを打ちなれているということだ。威力のあるサーブもコースが分かればブロックレシーブで面をあわせるだけで返球できる。それはあらゆるショットでも同じだ。こちらが強引にポイントしようと強いボールを打っても、返球するだけならいつでもできるのだ。
威力のあるボールとは、打球時に多くのエネルギーを与えたショットによって生まれる。フラット気味に打てばスピードボール、回転に振ればスピンボール。いずれもラリーの展開によって強力な武器となる。
しかし、どんなに威力のあるボールでも、返球の仕方が分かってしまえば、難易度が下がる。対人競技において、練習相手が強くなければ、絶対に勝てるようにならない。これは、長い間対人競技に携わってきた私の実感だ。威力のあるボールに慣れていないと、上手く返球できない。つまり、威力のあるボールを打てるプレーヤは、それを打つだけで勝てる。全ショットがウィナーなのだ。しかし、普段からそのレベルで練習しているプレーヤーは、そのボールが当たり前なので、ボールの威力を利用して返球する能力を持っている。
【何のための威力か】
スピードボールに慣れたプレーヤーにとって、そこそこ速いボールは、美味しいカウンターショットのためのプレゼントでしかない。速いボールのアドバンテージは、相手の時間を奪うことだ。時速500kmのボールを相手の手の届かない場所に打てれば、相手は反応できない。しかし、時速50kmであれば、簡単に反応してオープンスペースを狙ってショットできる。
つまり、スピードボールは、相手が対応する時間を奪えるのでポイントになる。緩いボールしか打てなければ、ポイントできる可能性が減る。それは勝つ可能性が減ることでもある。スピードボールで目指すべきなのは、相手プレーヤーが対応できない位置に打てるコントロールとの両立、もしくは相手が対応できないほどの圧倒的なスピードである。
ドロップショットを打った経験があれば、ボールが相手コートで2バウンドするまでの時間をもどかしく感じるはずだ。相手の反応が良く、足が速く余裕を持って打点に入られてしまば、ドロップショットは相手にとってのチャンスボールでしかない。あらゆるショットにおいて相手に時間的余裕を与える緩いボールは、相手のポイントチャンスを増やす。
【ボールの威力を高めなければ、トップに太刀打ちできない】
今回の試合では、そこそこ良いショットを打っているのだが、スルスルと打点に入られて対応された。自分の打ったボールがスローモーションのように感じた。ただ威力のあるショットを打っても対応され、スペースを狙ったショットは打点に入られて返球される。ポイントするためのボールの威力が足りないのだ。
エースを取ったポイントもあった。しかし、絶対的に数が足りない。ポイントは取れてもゲームが取れない。ぎりぎりのコースを狙わねばならず、高いミスのリスクを背負っているので、試合を通して有利に展開することはできない。改めて、威力のあるボールを打てるようにならなければ、高いレベルで勝てる道理がないと実感した。
【この年齢、この体力でボールの威力を増すことが可能か?】
諦めてしまったら、可能性は0になる。今からでもボールの威力を増すことは可能だ。ストローク、ボレー、サーブでまだまだ取り組んでいないことがある。高いレベルで勝つには、これらに取り組むしかない。何かわくわくする気持ちになった今日の敗戦だった。
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