サーブを強化する

 ジンギスカン付きお楽しみ団体戦での一幕だ。昼食時に「そんなにビール飲んでもいいもの?」との問いかけに「大丈夫。サーブが入れば返ってこないから。」と答える身長190cmほどのプレーヤーがいた。推定200km/h前後の弾丸サーブで、全盛期の大学生が全く対応できていなかった。当たり損ねたリターンがコートの柵を飛び越えて隣のコートの端まで飛んでいったのには驚いた。数年前の出来事だが忘れられない光景だ。

 私のサーブは平均値で164km/hだった。アマチュアのおじさんプレーヤーとしては速い部類だ。ファーストサーブが決まれば、簡単にサービスゲームを落とすことはない。つまり、私が負けるのは、ファーストサーブが入らないか、サーブを入れに行った時だ。

 私が試合に勝つことを最優先にするなら、他の技術を磨くより、ファーストサーブの確率を100%に近づければ良い。常に160km/hのファーストサーブを入れ続けるのは難しいが、スピンをかけて球速を落とせば100%に近づけられる。全サーブを打てば、ダブルフォルトの失点より、サーブのアドバンテージが大きい。

 1ゲームで全てファーストサーブをフォルトしても8回サーブを打てる。40-40なら14回だ。50%の確率でファーストサーブが入れば、2回に1回入るのだから、1ポイントで1回は成功するのだからポイントを失わない。テニスを楽しむという視点では邪道かもしれない。しかし、プロツアーでセカンドサーブをファーストサーブに近づける(セカンドサーブの攻撃力を高める)ことがトレンドになったことがあった。

 私が(年齢的に)何時間もサーブ練習をしたら故障することが目に見えている。そこで、練習量に依存せずにサーブの威力とコントロール精度を高める方法を考える。


【身長170cm未満のフラットサーブ限界】

 身長170cm未満のプレーヤーが試合で170km/h以上のフラットサーブを入れ続けるのは現実的ではない。現在、鈴木貴男がサーブが170km/hだが、ファーストサーブの確率は100%ではない。


【速度を上げる試み】

 筋力を増せば、速度を上げることができる。しかし、私の年齢で伸び代は多くない。現状維持が関の山だ。そこで、技術的に速度アップを狙える方法を考える。物理的に最も速度を得る方法は、ボールの重心を完全なフラットで目標方向に打つことだ。つまり、ラケット面の向きと運動方向(ベクトル)が一致すれば、ボールの速度が最大になる。インパクトでパンチを加える(インパクトの直前で腕とラケットを鞭のように使う)と、筋力を使わずにラケットスピードを加速できる。

 ゴルフのパンチショットは、テイクバックからクラブを加速してしならせ、インパクトの直前で減速する。これによりシャフトがしなり戻り、ヘッドが鞭のように加速する。この時、ヘッドの移動距離を最小限にすれば、加速度が最大になる。

 テニスではボール突きの動作がこれに近い。ラケットをあまり動かさず、インパクトの寸前で手首でブレーキをかけると、短い距離でヘッドが加速してボールが弾む。

 試合でこれを試した。結果は無惨に1本も入らなかった。理由は2つある。一つはニューボールが想定以上に弾むこと、もう一つは、速度が上がってスピン量が減るため、サービスライン内に収まらないことだ。それでも諦めずに打ち続けた試合、全てのサービスゲームを失って惨敗した。


【現状ですべきは精度を上げること】 

 センターとクロスでは距離が違う。エンドラインから相手コートのサービスラインまでの距離が18.23m、センターからワイドの距離は単純計算で18.74mなので50cm以上長い。

 飛びやすいニューボールで序盤からサーブの確率をあげるには、クロスのワイドを狙うのが良い。当然、ワイドよりセンターの難易度が高い。



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